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ab 24.September 2007.突然日記でも・・・と。続くかな?
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子宮筋腫コミュで話題になっていたこの本、わたしも読んでみました。
漫画家である著者自身の、子宮筋腫発覚から術後までの経験談をまとめたものです。
最初は店頭でパラパラっとめくってみるだけのつもりでしたが、いつのまにか引き込まれ、結局購入しました(現在は店頭でも品薄で、版元にも在庫が ない状態のようです。アマゾンではまだ購入可能とのこと)。



子宮筋腫には患者の数だけ症状があり、治療の選択も患者がいま置かれている状況や、人生設計によって本当に様々です(別の病気じゃないかと思うくらい)。
著者は既婚で出産経験無し、と言う所まではわたしと同じでしたが、夫婦ともに子どもを望んでいないこと、生理の症状が壮絶で、つらい貧血に悩まさ れている、と言う点や、筋腫の種類、最終的に子宮全摘と言う治療を選択する、と言う点では異なっています。
それでもなお、わたしにも思い当たる心理状況がたくさん描写されていて、涙無しには読めませんでした(基本的に明るい語り口なので、笑えるポイン トもたくさんあります)。
特に家族との関わりのくだりは、もうオイオイ泣きながら読みました。
夫が珍しく泥酔して帰って来たのを見て、初めて家族にも心理的負担を強いていたことに気付いた場面は特に。
わたしは術前には気付くことはできなかったけど、今にして思えばものすごく思い当たります。
術前の1ヶ月間ほど、リュープリンの影響もあったのか、わたしは著しく情緒不安定でした。
昼間の明るい時間帯に出かけると、町にはベビーカーを押して歩くお母さんたちが溢れているので、それを見るのが辛くて、日が落ちてからじゃないと 出かけられなくなりました。
幸せそうな人を見たくありませんでした。
そしてそんな自分が嫌で、苦しく思いました。
夜中に泣き出しては止まらなくなることが何度かありました。
そしてその思いをダンナにぶつけまくりました。
ダンナは睡眠時間を削って、とことんわたしに付き合ってくれました。
遅くまで残業して終電で帰って来て、家で待っている妻がこんな状態では、さぞかしストレスが溜まったことでしょう。
だけど当時、わたしは気付くことができませんでした。
家族だってものすごく辛いんだ、ってことに。
しかもわたしはもともとの性分で、人に甘えると言うか、弱気なところを見せることがものすごく苦手で、弱ってはちゃめちゃになるのはひとりでいる 時かダンナの前だけなので、ダンナの負担は相当なものだったと思います。
もっと色んな人に甘えれば良かったんだなー、と今にして思います。
母と姉にも辛い思いをさせてしまっていました。
手術日に付き添いたい、と言う母の申し出を、わたしは頑なに断りました。
前回の入院で、術後は看護師さんたちのケアが充実してるので、付き添っていてもただいるだけになってしまうことを知っていたし、何より母の足の状 態があまり良くないのを心配してのことでした。
「来てもらってもやってもらうことないし・・」
と言うわたしにダンナは
「そういうことじゃなくて、お母さんの気持ちの問題でしょ?」
と言いましたが、やはり青森からわざわざ来させるのもかわいそうで、結局断りました。
手術後、歩けるようになってすぐに実家に電話をすると、電話口で母は何を言ってるのかわからないくらい泣きじゃくりました。
「何もしてあげられなくてごめんね。本当にもうしてあげられることないの?ほんとにほんとにないの?」
何度もそう言って泣きました。
ダンナが言っていたことはこう言うことだったんだな、と思いました。
自分の為ではなく、母の為に来てもらうべきだったんだ、と。

退院が決まった時、ダンナの親戚に不幸があり、迎えに来られなくなりました。
荷物も多いので退院は翌日に延ばすしかない、と姉に連絡すると
「じゃあ、お姉ちゃんが迎えに行くから。少しでも早く退院したいでしょ?」
と、言ってくれました。姉の住む一関から仙台まで1時間半ほどかかります。
でも、朝一番で来ると言ってくれました。
そんなの申し訳ない、とわたしは断りました。
「こんな時くらい甘えてよ」
姉は言いました。結局ダンナがお葬式が終わったらダッシュで戻って来て、午後に退院、ということに落ち着きましたが、姉は家族なのに甘えようとし ないわたしがもどかしいようでした。

何もかも終わってしまってからじゃないと気付くことができなくて、周りの人たちにも本当に辛い思いをさせてしまったなぁ、と本を読んで改めて思い ました。
辛い時は周りに甘えていいんだ。
その方が周りもよっぽど気楽だし、嬉しいことなのかもしれません。

さて、歌手の森昌子さんが子宮全摘手術を受けたとのこと。
こんな超個人的なことを公表する必要があるのか、と言う意見もあるようですが、記者会見まですると言う森さんの気持ち、なんとなくわかる気がしま す。
この間の日記にも書いたけど、これだけ患者さんが多く、辛い思いをしている人がたくさんいるのに、色々知られてないことが多すぎる気がするからで す。
先日、とあるテレビ番組で大きな子宮筋腫を抱えたまま、高齢出産をされた元アナウンサーの方の体験談を紹介していました。と、ここまではいいんだ けど、それを見た某ママタレントのコメントにちょっとびっくりしました。
「子宮筋腫があるのに産めたなんて、ほとんど奇跡ですよね。よく無事に出産されましたね」
と、泣きながら言ってたのです。
確かに筋腫が原因で流産してしまうケースもあるけど、筋腫があっても無事に出産される方はたくさんいらっしゃいます。筋腫のことを知っている人に してみれば、かなり違和感のある発言です。コメントした彼女は単に知らなかっただけだし、仕方がないかもしれないけど、これを見た予備知識のない視聴者は 完全に誤解するだろうなぁ、と思ったりしたわけです。
森さんの報道を見て、自分の症状と照らし合わせて、病院に行って見ようと言う気になる人もいるかもしれない。自分の奥さんやパートナーの辛い生理 痛や貧血を思いやる男性が増えるかもしれない。知識を持とうと試みる人がいるかもしれない。きっとそう言う気持ちで記者会見されるんじゃないのかな、と勝 手に想像してます。
ずいぶん前だけど、宇多田ヒカルが卵巣脳腫で手術をした、と報道された時、わたしの会社の先輩も「生理のときの症状が似ている」と言って病院に行 きました。結果、やはり卵巣脳腫が見つかり、その後すぐに手術をされました。
抵抗のない人はもっと生理のことや、婦人科系の病気のことを積極的に話題にすれば、救われる人も増えるんじゃないかなぁ、と思う今日この頃でし た。




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