ほでなすはちょっとやそっとじゃ治らない

さて入籍から1週間たちまして、夏休みを利用して片付け続け、どうにかこうにか住居が住居らしくなってまいりました。
今日は大学時代の友人、マイ、トシ、むつ夫妻とその2人娘を迎え、我が家での初めての宴です。薄っぺらだけどお布団もちゃんと用意して、もうどんと来いですよ。

大学が違うむつパパ以外の面々は、学生時代から何かと行動を共にすることが多かった友人たちです。かと言っていっつもベタベタいっしょにいたかと言うとそうでもなくて、みんなそれぞれ自分の世界があって、それぞれの活動にけっこう忙しく動き回ってて、でもなんかあるとなんとなく集まって、まぁしばらく会わないなら会わないで別に平気なんだけど、会ったら会ったでものすごく濃密な何かがぎゅ～っと詰まったような時間を過ごせる、わたしにとってそんな連中であります。
こんな表現で果たして伝わるだろうか・・・。

時間がたっぷりあったはずの学生時代よりむしろ、それぞれが就職してからの方が会う回数は増えていったような気がします。むつママがわたしたちと一緒にベガルタの試合を見に行くようになってからは、試合後たいていわたしのアパートで酒を飲んでそのまま泊まっていくようになりました。応援に疲れて帰宅するとわたしとむつママは（その日の試合が勝ち試合だったら）録画しておいた試合のビデオを見ながらあーでもないこーでもない言ってビールを飲み、そしていつの間にかどちらからともなく心地よい浅い眠りに落ちていくわけですが、目覚めた頃にはネルシャツ氏による（大概カロリー高めの）夕食が出来上がっている、と言う寸法です。で、ホームでの試合後はいつも我が家で愉快な宴が催されていることを知ったマイも試合の日となるとやってくるようになり、じゃ、トシも呼ぶべって言って連絡すると、じゃ、いぐべがな、って話になってほでなすな面々が誘蛾灯に集まるかのように旧しましま邸に集ったものです。

そのうちネルシャツ氏の高校時代の友人のむつパパが赴任先から仙台に帰って来て、ちょいちょい飲みに行くわたしたちのメンツに加わるようになりました。騒がしい我々の中で唯一静か～にお酒を飲む人です。こんなうるさい我々と一緒に飲んでて、果たしてこの方は楽しんでいるんだろうか・・・、と心配したこともありましたが、その後めでたくマイのマリンバの音をＢＧＭにむつママと結ばれる、と言うハッピーな展開となりましたので、わたしの杞憂にすぎなかったのでしょう。

むつ夫妻がむつに引っ越した後、ネルシャツ氏がドイツに行っちゃったり、わたしとネルシャツ氏が別れたり、なんて事情もあって、全員が揃うのはもう何年ぶり？って感じです。
むつ一家と一緒に雨の中山形戦を観戦し、いっしょに我が家へ帰ります。部屋に入って数分後にはむつ姉妹、半裸でした（笑）。お風呂にお湯が溜まりきる前になんか知らないけど自分で脱ぎ始めて。次女のＫちゃんにいたっては自らオムツ外して（笑）。くつろいでくれてなによりです。
何かに憑かれたようにはしゃぎまくってとうとう疲れたむつ姉妹が寝てしまったあと、みんなで久々にしっぽり飲みました。なんかね～、もう三十路に入った呑み方って言うか、しみじみした感じでしたよ。みんなと初めて出会ってから早いものでもう十数年。みんな少しずつ間違いなくオトナになったんだけど、根底にはちょっとおバカなこどもみたいな心もちゃんと残ってて、人見知りでなかなか友達ができないわたしが18歳で青森から出てきて、どうにかこうにか生きてこられたのも、要所要所でこの人たちがわたしの傍にいてくれる、って言う安心感があったからかなぁ、なんて思ったりするわけです。とりわけネルシャツ氏と別れた時は、わたしたちふたりともと仲の良かったみんなにとっては、ほんとに辛く、やりきれない思いがあったと思います。でもみんなわたしたちふたりともそれぞれを見放すことなく、責めるでもなく諭すでもなく、ただあるがままを受け止めて、でもずっと傍にいてくれました。そしてさんざんみんなを振り回したあげく、結局よりを戻したわたしたちを、まるで自分のことのように喜び、祝福してくれました。いくら感謝してもしきれないくらい、心から感謝しています。この感謝の気持ちは一生忘れないと思うし、忘れちゃいけないな、とほんとに思います。

さて、宴の翌朝。
たくさん寝て今日も元気なむつ長女のＳちゃん主導で、夕べから続いている「おうちごっこ」が始まりました。Ｓちゃんがお母さん役で、ネルシャツ氏がお父さん、マイ、トシがこども役のようです。車でどこかへお食事に行くという妄想プレイが繰り広げられています。ふとんを車にみたて、みんなその上に座っています。

「しゅっぱ～つ！」
Ｓちゃんの号令を合図に車が発進。おっと、車の前に歩行者（わたし）が！はねられてしまいました。
「ひ、ひかれた～！」
うずくまるわたしに
マイ　　　　「このまま知らん振りして逃げようか、お母さん」
Ｓちゃん　「うん！」
トシ　　　　「なにごともなくていがったね～！」

あの・・・、この人たち、教育上いかがなものでしょうか・・・。
ほでなすは、生まれ変わってもきっとほでなす。われわれはきっとじーちゃんばーちゃんになってもずっとこんな感じなんだろうな～。
ともに白髪の生えるまで。